NPO法人 傾聴グループ ぬくもりほっとらいん 主催による、「ぬくもり講座」にて
マインドフルネスを取り上げ頂き、講師として講演会を行わせて頂きました。
ぬくもりほっとらいんは、悩みを聞いて欲しい人、話を聞いて欲しい人に
電話相談にてその機会を提供する活動を行っていらっしゃる団体です。
(興味を持たれた方は是非HPをご覧になってください http://nukumorihotline.org/ )
参加していらっしゃる方々は皆さんボランティアで、傾聴の技術を研修にて受けた後に
支援を行っていらっしゃるそうです。
毎年1回会員の方々にとっても、地域の皆さんにとっても役に立つ講座を開講していらっしゃり、
今年は、マインドフルネスを取り上げて頂きました。
講演を行う前に、ぬくもりほっとらいんの広報誌「ほっとぷれす」を拝見し
マインドフルネスが目指していることと同じことを「傾聴」という技術で成し遂げようとされているなぁと
共通しているところをいくつも発見しました。
マインドフルネスは、もともとは仏教の考え方から誕生していますが、
現在では、カウンセリングや医療の技術の1つとしても活躍していますし、
第3世代の認知行動療法と呼ばれる様々なアプローチの中にも登場しています。
様々な「療法」や「手法」があり、少しずつ方法ややり方は違っているのですが
目指しているところはどれも共通していて、それは実はマインドフルネス以外の方法でも
共通していることがたくさんあると思います。
今回は、マインドフルネスについて全くの初心者の方にもご理解いただけるように
体験やエクササイズを交えながらの概念説明と、ちょっと難しいメカニズムの論理的説明の両方を
ご紹介させて頂きました。
体験やエクササイズでは、会場の皆さんが積極的に手を揚げて発言して下さり
会場全体が温かくにぎやかな雰囲気で、とても一体感のある講演となりました。
アンケートにて頂いた質問で、大切なことだなと思ったものを以下に回答致します。
Q.「気づく」ことが大切と何度も言われたが、「気づいた」あと、心がどのように動いていくのか、
またその動きを「気づく」ということなのでしょうか?
A.仰る通りです。「気づき続ける」だけでも十分なのですが、もしも可能であれば、
その「気づいた」ことに対して「OKを出す」ということも試してみて頂ければと思います。
考え事をしていたのならそれを消したり追いかけたりせずに、「考え事をしていたんだ」ということを認めて、
今目の前で行っていること(呼吸瞑想中であれば呼吸)にまた注意を戻してみて下さい。
気づいていれば、自分で自分が何をするかを選ぶことができます。
いつも通りの方法を選んでもいいですし、いつも通りの方法がうまくいっていないのであれば
いつもとは違う方法を試してみてもいいのです(それがうまい方法かどうかはやってみるまで分かりませんが!)
Q.マインドフルネスの練習は個人でやるよりもグループで行った方が
その後の体験を分かち合えるのでより良いと思ったのですが、いかがでしょうか?
A.そうですね。マインドフルネスは自分の心と向き合い、自分の心を深く知ることですから
とても孤独な作業と言えばそうでもあると思います。一緒に取り組んでくれる仲間がいると心強いですよね。
グループで自分の体験をシェアすることは、自分の気付きを言葉にすることを通してさらに気づきが深まるという点と
他人の気付きを通してさらに自分の気付きを得られる(自分もそうだった!、自分は違ってこうだった…など)点の
両方のメリットがあります。マインドフルネス療法研究センターでも、そのメリットを生かすために
グループ療法の形で治療を提供させて頂いております。
ですが、やはり自分の心と向き合う作業ですので、グループじゃなければできない、ということはなくて
一人でも十分に取り組むことはできます。
Q.普段の「クセ」というのは性格につながりますか?
A.その通りだと思います。
「性格」と呼ばれているものはいったい何のことか説明しようとしてみると面白いと思います。
私は、「性格」というのは、どんなことを考えたり行動したりすることが多いのか、という
ある種のパターンの集まりを指していると思います。
例えば、「優しい性格」というのは、人の気持ちを考える”クセ”があったり、
困った人を見かけたときに声を掛けるという行動を何度も繰り返し行っている、と説明できると思います。
そうなると、むしろ「性格」なんていうものはどこにもなくて、
ただ、”クセ”になっているいろいろな考え方や行動の集まりを、そう呼んでいるだけ、とも言えるでしょう。
自分を変えたいと思ったら、自分をよく知る必要があって、
自分をよく知るには、自分が持っているたくさんのクセにいくつも気がつけるといいのですね。
Q.日常生活で自分で取り入れられるか少し不安です。何かアドバイスはありますか?
A.私たちのグループ療法に参加いただければその方法をいろいろお伝えできると思います!
ただ、場所や日時の都合で難しい、という場合には、
ぜひ「毎日の生活を丁寧に送る」ことを折々で意識してみて下さい。
一瞬で構わないので、自分がその時やっていることを「意識的にやる」瞬間を毎日作って頂ければと思います。
朝起きたとき、服を着る時、食事をする時、歩いているとき、人にあいさつをする時、など…
なんとなく、上の空で、ただ慣習で、行うのではなく、「歩くぞ!」「食べているなぁ」などなど
しっかり「今」を感じながら、自分が今選んでそれをしている、ということを意識する瞬間を
毎日少しずつ作って頂ければ、それはもうマインドフルネスの練習になっています。

<アンケートで頂いた感想>
◆実験がたくさん入って、体験的に考えることが出来て分かりやすかった。
◆日々の生活の中で実践することはとても難しいと思いました。でも是非身につけたいものです。
◆「ストレスを受けいれることで、結果としてストレスが消える」と言う話が最も印象に残りました。
◆体験について考えるのではなく、体験を味わうということ、しっくりきました。
◆マインドフルネスはTVや書籍で知っていましたが、体験もしながら話を聞いた方が分かりやすく、参加してよかったです。
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<これまでの講演・研修実績> 早稲田大学×所沢市「とこコミュ」プロジェクト 講演会:「マインドフルネスと認知機能」, 2015 株式会社日報電子 社員向け研修会 講師:「マインドフルネスとストレスケア」, 2016 静岡県長泉町立北小学校 家庭教育学級第2回講座 講師:「マインドフルネスと育児」, 2017 ヤフー株式会社マーケティング&コミュニケーション本部クロスユース推進部 社員向け研修会 講師:「マインドフルネスとストレスケア」, 2017 新座市保健センター 市民向けゲートキーパー養成講座 講師:「マインドフルネスを体験してみよう」, 2017 など
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