皆様
こんにちは。
杉山です。
第7クールあたりから、慈悲の瞑想をお伝えする回で
参加者の皆さまにもご紹介しているのですが、
私の趣味の1つで、TED TALKという番組を見るのが大好きで、
今日は、私の一押しのTED TALKを皆さんにも広くご紹介できれば、と思い記事を立ち上げます。
TED TALKというのは、アメリカで行われているスピーチの番組です。
一般の方から専門家まで、幅広く誰でも、自分がみんなにシェアしたいと思うことを
5~20分程度のスピーチでお話できる、という番組です。
ホームページでは、日本語の全訳や字幕付きで、スピーチを読んだり見たりすることもできます。
世界の最前線の研究を行っているような研究者や、一般の方でもとてもユニークな視点で体験を捉えている方の、すごく上手でおもしろいスピーチを見ることができます。
面白いことに、「マインドフルネス」や「慈悲」という言葉を直接使っていなくても
「これは、マインドフルネスの気づきに通ずるなぁ」
「これは、マインドフルネスの受容の力にすごく似ているぞ」
「自分に慈悲の心を向けるってこんな方法もあるよなぁ」などなど
あちこちで同じことをテーマにした話を、違う角度から聞くことができたりして
不思議だなぁ、やはりマインドフルネスは新しい力ではなくて、
いろいろなことに繋がっている1つの真理なのかなぁ、などと考えたりします。
これから少しずつ私のイチオシのスピーチを紹介していきますので、
もしも、時間があれば、皆さんも是非見てみて下さい!
ご紹介第1弾
ガイ・ウィンチ 「感情にも衛生が必要な理由」
Guy Winch 「Why we all need to practice emotional first aid」
https://www.ted.com/talks/guy_winch_the_case_for_emotional_hygiene/transcript
このスピーチは、クールの中でも何度かご紹介したことがあります。
自分に慈悲の心を…という話をした時に、私たち日本人にとって少し抵抗があるのが
「自分に優しくすることって、自分を甘やかすことになるんじゃないの?」
「自分で自分を思いやるなんて、自己中心的な感じがする。」
「何もかも許していてはダメ。厳しく自分を律しないと怠け者の自分はどこまでも怠けてしまう。」
などなどの、心の反応が生まれやすいのかな、と感じます。
日本人は、謙虚さを大事にする文化を持っていますから、
特に、自分のまだまだのところ、ダメなところを見つけるのは大得意だけれど
素晴らしいところや素敵なところ、好きなところを見つけるのは難しいという方が多いのかな、と思います。
かくいう私も、昔は自分のことがとても大嫌いで、
自分に優しい言葉をかけるなんていうことは、その必要性すら感じなくて
自分に厳しいことを言えば言う程、自分はよりよい人間になれるんだ、と信じていました。
そうやって自分では自分を追い込む癖に、人に評価されるとそれにはとても傷ついてしまって
そして簡単に傷つく自分をまた「弱い人間だ」と追い込んで、
さらに傷つきやすくなっていく…という悪循環を自分で作っていました。
心も体と同じように、メンテナンスが必要で、
傷ついた時には自分でそれを悪化させないために手当てをすることが大事で、
それは、自分を甘やかすということとは全然違うことなんだ、というのが
彼のスピーチを聞くととてもクリアに伝わってきます。
マインドフルネスは、ありとあらゆる自分の体験に気づき、
それを変えようとしないで受け入れる心の態度ですから、
自分の良いところ”だけ”を見るようにする、ということや、
自分のダメな所を無理やり良いものに変える、ということは、やはりアプローチが少し違います。
でも、良い自分もそうでない(と判断される)自分にも等しく平等に気づくことや
どんな体験をしている自分にも「OKを出す」ということには
自分に対する”優しい”目線が必要不可欠です。
どんなに不快に、苦痛に感じられる体験にも、気づいて
「そんな体験を今しているんだね」とそれらを受け入れるためには、
自分の体験に好奇心を持つことや、優しい見守る目線を向けてあげることが役に立ちます。
小さな子供が転んで泣き出した時に、「そんなことで泣くな!」と叱っても泣き止みはしません。
「どうしたの?どこがどんな風に痛いの?そっか、痛かったね。」と優しく聞いてあげれば、
その傷や痛みがすぐに消えるわけではないけれど、徐々にその子は泣き止んでいくでしょう。
私たちの心も同じなのかな、と感じます。
自分の心の傷に気づいた時、優しく手当をすることで、
その傷を真に「受け入れる」ことができるのです。
まずは自分の心の傷にしっかりと気づくところから、
最初は手当は下手かもしれませんが、少しずつ練習していけるといいですよね!
ガイウィンチのted観ました!
実体験を元にしたエピソードはどれも興味深く、喜怒哀楽が全て詰まった内容でした。とても良くスピーチが頭に入ってくる…
教えて下さってありがとうございます。
体と心は双子なんだってところが好きです。
僕はこれまで心の傷を蔑ろにしすぎてたなって思います。たとえ、すり傷程度でもこれからはしっかりバンドエイドを貼って大事にしていこうと思います。
あ、心の傷には蓋をしてましたが、どんな傷なのかをチラッと確かめながら!
あまりきっちり書こうとするとハードル上がってしまうので、まずはラフに…
@富澤正樹 さっそくコメント頂きありがとうございます!
素敵なスピーチですよね!実体験も伴っており、かつ科学的根拠も示され、
素直に「あ、やってみよう」と思えるところが私もいいなぁと思います。
今まではTED見ても1人で盛り上がるだけだったので、見て頂いて共有できて嬉しいです。
TEDのシェアありがとうございます! 僕は自己肯定することが少なく、自己嫌悪になり余裕がなくなり視野が狭くなりできることもできなくなることが多々あります。
誰にでもある「感情」とうまく付き合い、湧き上がる感情を理解して負にしない習慣を身に着けたいと思います。
ご紹介第2弾
ブレーネ・ブラウン 「心のもろさの力」
Brene Brown 「The power of vulnerability」
https://www.ted.com/talks/brene_brown_on_vulnerability
こちらのスピーチも自分の体験との触れ合い方について
非常に重要な示唆をくれるものです。
私が特に大事だなぁと思ったことは、
「人間は選択的に感情を麻痺させることはできません。…(省略)…だから、そうした気持ち(辛い気持ち)を麻痺させるとき、同時に喜びや感謝の意や幸福も同時に麻痺させてしまうのです。」
という部分です(日本語訳から抜粋しました)。
クールの中では、4回目のあたりで、「心の”反応”とそれに対する”対応”」というお話をしていて、
心の”反応”に気づいた時に、それについてDoingの心のモードだとよくしてしまう”対応”について
避ける、執着する、妄想する、の3つを紹介しています。
3つとも本当によく選択してしまう"対応”なのですが、中でも「避ける」というのは
私たちがしばしば選択しがちであり、一番気が付きにくいものかな、と個人的には感じます。
避けてないつもりが、避けてしまっていること本当に良くあるのですよね…。
ブレーネさんのスピーチの中では、それを「麻痺させる」という言葉で紹介してくれています。
本当にぴったりの表現だなぁと思います。
「麻痺」しているので、「麻痺」している最中は自分が感じていないこと